グルーミングの必要・不必要?  
その1 爪きり


野生に生活する(学名 カニス・ルプス) かたや人間社会に生活するイエイヌ(学名 カニス・ファミリアリス)・・・・・
狼の社会?には、もちろん美容院などないし、また行く必要などありません。 
では、なぜワンちゃんには、グルーミングが必要なのでしょうか? 
”美容院”というと おしゃれのため、オメカシのためというイメージが強く、
「うちの子には、無関係」、「おぼっちゃま・お嬢様ぢゃあるまいし!」なんておっしゃる方も少なくないはず。
実際、犬の美容院では、どんなことが行われているのでしょうか?

狼さんにも登場いただいて(^^ゞ 少しお話させて下さい。
まず、はじめに 「爪きり」から

狼の爪は、食料を求めて、一日数十キロを徘徊し、山野を駆けまわり、穴を掘りなどして、いわゆるスパイクとして
その用途があり、自然当然に爪は磨耗します。
また、それらに必要に合わせて調度よい長さに保たれるように爪は、伸びてきます。

一方、都市生活者である犬(一般家庭の)は、アスファルトやコンクリート上を歩くことがほとんどでスパイク(掴む)必要がなく
ほとんど爪は使われず、むしろパッド(肉球。蹠球・趾球と言います)の磨耗・亀裂の方が心配されます。
遺伝子レベルでも多くの点で狼と共通の体構造を持つ犬(相互に交配が可能)。 爪ももちろん同じペースで伸びてきます。
ただただ、その生活スタイル・経験環境が、あまりにもまったく違うのです。

特に狼爪 (ろうそう)・デュークロー・鉤爪と呼ばれる 人でいう親指にあたるところの爪は、主に獲物を掴んだりする役目があり
後ろ足にあるのは、主に山を駆け下りる時のブレーキとしての役目があります。
ほとんどの犬種では前足にだけありますが、個体差があり、後ろ足にもある場合や 
一箇所に2本生えている (ダブルデュークロー)場合もあります。  
4本並んだ爪とは、離れていて 内側の上方にある見えにくい爪なので見落としがちです。 
これらは、まかり間違ってもアスファルトやコンクリートで削れることは、ありません。
削れず伸びる一方の、その生きつく先は、人間のギネスブックで見るように内へ内へと巻いてきます。
運悪くすれば、そのまま皮膚へと食い込んでしまいます。 
(間違いなく炎症・化膿を起こし、獣医院での処置が必要となります)

そのほかにも そうして伸びすぎた爪は、硬い路面に当たってしまい、カツカツと音をたてて滑るし、当然痛くもあるので、
痛くないようにベタ足で歩こうとするため 「ペーパーフット」・「ラビットフット」と呼ばれるような
薄っぺらい、指先の開いた足になってしまいます。 または、指先がまるで女の子座りしたような斜に寝たように
奇形してしまうこともあります。 そうなってしまったワンちゃんを幾例か見てきています。 
そうなってしまうと 残念ながらもう、爪を短く切っても元の正常な指の形には戻りません
それゆえに歩き方も不自然になってしまい 膝蓋骨・股関節・腰骨・肩甲骨などにも次第に悪影響をもたらします。
大袈裟でなく、身体全体の健康を害することになってしまうのです。

たかが爪きり???いえいえ、されどされどの爪きりなのです。
せめて月に一度のチェックをおすすめいたします。 
お店の人は、もちろん爪の神経ぎりぎりのところまでカットしますが、(報酬をいただいてのお仕事です。)
一般のご家庭では、そこまで慎重になさらずとも、まめに先をチョコッと切るだけで充分です。
神経までブッツリ!血がドバ〜!なんてことになったら、なによりワンちゃんが可愛そうですし
相当に痛いはずです。 (人間なんて、ちょっと深爪しただけでも・・・あの痛さ。もっと痛いに決まってます。)
ただ、痛みに対する耐性が、ワンちゃんはとっても強いので、いつまでもヒンヒン泣いたり、人のように恨んだりはしません
(ショードッグなどでは、姿勢・スタイルの為にブッツリと!!!焼きゴテでジュワッと止血!!!(>_<) 何てこと!も行われています)
でも、しっかりと記憶には、焼付けられますので、嫌われませぬように・・・(゚-゚)

土の上を自由に走らせてあげることも、爪のためにも、またなにより心身の健康のためにも、とっても良いこと!
最後に もっともっと、ドッグランの増えることを願いつつ・・・・(;_;) 

拙い文章をご拝読くださいまして ありがとうございました。
御礼申し上げます。


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